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その他の改正

事業承継税制

平成21年度税制改正で創設された非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度、いわゆる事業承継税制は、適用要件が複雑であるだけでなく、制度の適用から5年間は一定の要件を満たし続けなければならず、適用件数が伸び悩みを見せていました。
これを受けて政府は、毎年の税制改正で少しずつ制度改正を重ねてきましたが、今回、これまでにない思い切った改正に踏み込んでいます。

➀第三者承継への適用が認められた

事業承継税制の適用を受けることができる後継者は、現行制度では「非上場会社を経営していた被相続人の親族」とされています。しかし、今回の改正でこの要件が撤廃され、第三者承継についても制度を適用することが認められることになります。

➁5年間の雇用確保要件が緩和

事業承継税制適用のネックのひとつとなっていた、「5年間の雇用確保要件」が緩和されることになりました。
現行制度では、制度適用後5年間は雇用の8割以上を維持し続けることが求められていましたが、改正により「常時使用従業員数の平均が、相続開始時又は贈与時における常時使用従業員数の8割」へと変更されています。
つまり、現行制度では従業員数が8割を下回ることで直ちに納税猶予が打ち切られます。
改正により「常時使用従業員数の平均」という概念が取り入れられたことで、従業員数が8割を割り込んだだけで直ちに打ち切りとはならないという訳です。

5年間の雇用確保要件が緩和

また、この「雇用確保要件」が満たされないために納税猶予が打ち切られた場合、従来通り納税猶予税額を納付しなければなりまぜんが、この時、延納又は物納の適用を選択することができるようになります。

➂経済産業大臣による事前確認制度の廃止

現行制度では、事業承継税制の適用要件のひとつである「経済産業大臣の認定」を受けるための事前準備として、「経済産業大臣の確認」の手続きが必要です。この手続きは、相続が発生する前に行っておく必要があります。
ところが、相続はいつ発生するか予測できるものではありません。つまり現行制度では、相続が思いもよらず早い時期に発生した揚合、この事前確認ができていないケースが多く、事業承継税制の適用をあきらめなければなりませんでした。
このように制度の構造そのものが納税者の選択肢を狭めている現状を改善するため、今回の改正では、この事前確認制度が廃止されることになりました。
ここに挙げた3つの大きな項目の他、事業承継税制に関しては全部で15項目の改正が加えられています。
なお、これらの改正は、③を除き平成27年1月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

※③については、平成25年4月1日以後に受ける認定について適用

相続税の対象財産の拡大

現行の相続税法では、日本国内に住所を有していない外国籍の人が、国内に居住する個人から、海外の財産について相続・贈与を受けた場合には相続税・贈与税が課税されません。そのため、例えば、日本人である父親が、国内外に所有している財産を外国籍の子供に相続・贈与した場合、国内の財産のみが課税対象になります。
つまり、子供が外国籍であれば、海外にある財産についてはいっさい課税されない訳です。

このような制度の仕組みが海外財産の課税逃れを引き起こしていると考えられることから、今回の改正では「日本国内に住所を持たない外国籍の人が、日本国内に住所を有する個人からの相続・贈与により取得した財産」が相続税・贈与税の課税対象に加えられます。

改正による影響のイメージ

相続税の対象財産の拡大